【入国・出国成功】実際の手順・注意点|中国トランジットビザ免除措置や臨時入境許可について

旅行

中国への渡航については規制が厳しく、情報が多いため分かりにくいですよね。

私も危険なイメージのある南米などを含む20カ国以上の国と地域を旅してきましたが、中国への入国が1番不安でした。

今回は、私が実際にトランジットビザ免除措置を使用し、ビザなしで中国へ入国した方法を分かりやすくお伝えしたいと思います。

本記事に記載の情報は、予告なしに変更される可能性があります。
入国に関わる情報は、大使館等が発信している最新情報を必ずご確認ください。

最新情報等の参考になるサイト本記事の末尾に載せました。

中国の現在の情報(2024年9月9日現在)

現在、中国入国において新型コロナ関連による制限や規制はありません。2023年8月30日以降、出発前検査(陰性証明)、ワクチン接種証明書、入国後の隔離などの制限は撤廃されています。

しかし、中国渡航にはビザ(査証)が必要となっています。観光・ビジネス・就学など、目的に合ったビザを取得する必要があります。

つまり、新型コロナ関連の制限や規制はないが、基本的に中国への入国にはビザが必要ということです。

個人的な観光が目的でもビザの申請は必要です。

ビザの申請については、本記事の末尾をご参考に。(今回必要な方は少ないと思いますが)

コロナ以前までは、日本国籍者向けに15日間の査証免除措置が適用されていましたが、未だに再開されていません。再開されない理由には、外交の交渉カードや米中対立など地政学的な状況によるものだと思われます。

そんな中、ビザ免除で中国に入国できる制度が、存在します。それが今回、私が利用した中国での乗り継ぎ時に利用できる査証免除措置です。(トランジットビザ免除措置)

ただし、この乗り継ぎ時の査証免除の利用には様々な条件があり、正式な文書は聞きなれない難しい言葉が多く出てきます。ビザなしで中国へ入国・出国する前の私は情報を理解するのは困難で不安もありましたが、思ったよりすんなりとこれらの制度を利用することができました。

そんな情報をまとめ、以下で実際に経験した「ビザなしで中国へ入国してから出国するまでの方法」を紹介していきます。

ビザ免除には、事前準備が必要か?

事前準備は、必要ありません。

正確には、最新情報を確認する行為等は必要だと思いますが、ビザの申請のように前もって何かを申請する必要はないということです。

 まず、「トランジットビザ免除措置」と「臨時入境許可」について知っておく必要があります。

トランジットビザ免除措置

 「トランジットビザ」とは、ある国の空港で国際的な乗り継ぎの場合に、その国には滞在せず、または空港を離れることなく数時間滞在し、通過する旅行者に対して提供している短期的なビザのことです。これにより、その国の空港、または定められたエリア内で一定期間滞在することができます。つまり、そもそもトランジットビザ免除措置がないと国際的な乗り継ぎの場合、乗り継ぎ地(国)のトランジットビザを取得している必要があるということです。

 今回の場合において考えると、中国経由で第3国へ渡航する際に中国での乗り継ぎに必要なビザが免除されている状態です。中国経由で第3国へ渡航する定義については、本記事の「トランジットビザ免除措置の利用条件・対象エリア・期間」で例を挙げて説明しています。

 ここまでの情報を整理すると、基本的にはトランジットビザ免除措置のみでは、ビザなしで中国国内へ入国することができないということです。

「24時間トランジットビザ免除」と「72/144時間トランジットビザ免除」の違い

 トランジットビザ免除措置には、「24時間以内」と「72時間以内、または144時間以内」といった区切りがあります。

●24時間トランジットビザ
利用対象国:全世界
対象入出力口:中国がアクセス可能なすべて

●72/144時間トランジットビザ
利用対象国籍:54ヶ国(日本含む)
対象入出力口:中国18省、自治区、直轄市の38つ

これらの詳細については、下記の「トランジットビザ免除措置の利用条件・対象エリア・期間」に詳細情報を表にまとめてあります。

臨時入境許可

 一方、「臨時入境許可」とは、ビザ免除で一時的に滞在許可エリアにおいて、中国への入国を許可するものです。また、上海の中で異なる空港や港、駅などを利用して国際的な乗り継ぎをするには、一度中国国内へ入国して移動する必要が出てきますが、この場合も臨時入境許可が必要になります。


以上が、定義となっています。

一般的な入国の認識を「入国審査を通過すること」だとすると、ビザなしの入国には「トランジットビザ免除措置」だけでは不十分で「臨時入境許可」が必要ということです。

実際、私は廈門高崎空港に降り立ち、トランジットビザ免除措置と臨時入境許可を利用して中国国内でビザなし滞在をしました。

このトランジットビザ免除臨時入境許可も、ビザと違って当日に申請・発行・利用が可能なため、事前に準備する必要はありません。しかし、滞在可能エリアや期間などの条件がありますので、以下で詳しく見ていきましょう。

トランジットビザ免除措置の利用条件・対象エリア・期間

トランジットビザ免除措置を受けれない人

ほとんどの日本人は、当てはまらないと思いますが以下になります。

  • 残存有効期限が3カ月未満の「パスポート」または「その他の国際旅行証明書(ビザなどの入国時に必要となる各種書類)」を所持している者
  • 中国の査証発給拒否のスタンプが押されている者
  • または5年以内に不法出入国、不法滞在、不法就労の記録がある者

ビザ免除で中国に入国するための条件

  • トランジットビザ免除措置の対象空港であること。
  • 指定期間内に第3国へ出国する予約(日時と座席)が確定済みの航空券を所持していること。
  • トランジットビザ免除措置の対象エリア外へ出る場合は、臨時入境許可を取得すること。

ここでいう「トランジットビザ免除措置の対象エリア外へ出る場合」とは、基本的には空港の乗り継ぎエリアを出て中国国内へ入国することを指しています。

トランジットビザ免除措置の対象空港と滞在時間、滞在可能エリアに関する詳細以下の通りです。これらの情報は、予告なく変更となる場合があります。航空券の予約時や出発前には必ず最新情報をご確認ください。

時間制限対象空港・口岸・駅滞在可能
エリア
備考
24時間以内全ての空港・口岸・駅中国全土
72時間以内長沙黄花国際空港湖南省
72時間以内ハルビン太平国際空港ハルビン市
72時間以内桂林両江国際空港桂林市
72時間以内北海港(旅客輸送用)北海市
144時間以内北京首都国際空港
北京大興国際空港
北京西駅
天津浜海国際空港
天津国際クルーズ母港
石家荘正国際空港
泰皇島海港
北京市
天津市
河北省
地域内の対象港全てから
中国に出入国が許可
144時間以内上海虹橋国際空港
上海東浦国際空港
上海港(旅客輸送用)
上海駅出入国口
南京禄口国際空港
連雲港港(旅客輸送用)
杭州蕭山国際空港
寧波櫟社国際空港
温州港(旅客輸送用)
舟山港(旅客輸送用)
上海市
江蘇省
浙江省
地域内の対象港全てから
中国に出入国が許可
144時間以内広州白雲国際空港
南沙港(旅客輸送用)
深セン宝安国際空港
蛇口港(旅客輸送用)
掲陽潮汕国際空港
広東省広東省内で旅客輸送サービスを提供する
36の出入国港全てからの出国が許可
144時間以内瀋陽桃仙国際空港
大連周水子国際空港
大連港(旅客輸送用)
遼寧省
144時間以内青島流亭国際空港
青島港(旅客輸送用)
山東省
144時間以内重慶江北国際空港重慶市
144時間以内成都双流国際空港成都市・徳陽市
楽山市・蘆州市
眉山市・内江市
遂寧市・雅安市
宜賓市・自貢市
紫陽市
  
144時間以内西安咸陽国際空港西安市・咸陽市
144時間以内廈門高崎国際空港
厦門港(旅客輸送用)
廈門市
144時間以内武漢天河国際空港武漢市
144時間以内昆明長水国際空港昆明市
(2024年7月3日現在)以下、参照(https://en.nia.gov.cn/n147418/n147463/c156086/content.html)

 第3国へ出国する予約確定済みの航空券とは、「日本→中国→韓国」「日本→中国→フランス」などの航空券を購入済みであることということです。出発地と中国からの行き先が同じ国の場合、この制度は利用できません。以下に例を載せておきます。

トランジットビザ免除措置の利用可否旅程↓

利用可能○
「日本→中国→イタリア」
「オーストラリア→中国→日本」
「インド→中国→韓国」
「タイ→中国→韓国→日本」
「日本→北京→香港」
※台湾・香港・マカオ地区については、第3国扱いとなります。イタリアやオーストラリア、日本などと同様に考えて構いません。

利用不可✖️
「日本→中国→日本」
「マレーシア→中国→マレーシア」
「台湾→広州→台湾」

入国の流れ

私は、マレーシアのクアラルンプールから中国の廈門経由で、日本へ帰国する中国の廈門航空を利用しました。

  1. 航空券の購入
     上記で説明した条件の中国経由、第3国行きの航空券を購入してください。
  2. 空港到着
     国際線を利用する場合は、一般的に2時間前(混雑時は3時間前)には空港に到着しておくことが望ましいと言われています。チェックインの締め切りは出発時刻の60分前です。今回のようなビザ免除で中国に入国するためにトランジットビザ免除措置や臨時入境許可を利用する場合は、以降で説明するような通常にはない手続きが発生したり、不測の事態が発生したりする可能性があるため、早め(3時間前には)空港に到着することをオススメします。
  3. 出国手続き(チェックイン)
     空港のチェックインカウンターでチェックインと同時に、「トランジット免除措置」及び、必要であれば「臨時入境許可」が欲しい旨を伝えてください。航空会社やスタッフにもよると思いますが、あまりビザなしで中国に滞在するお客さんは多くないのか慣れない様子でした。そのため、カウンターの受付スタッフが他のスタッフに変わることはありましたが、より詳しい方に対応を変わったのだと思います。
     間違いがあってはならないため、数人のスタッフが入念に航空券情報を確認します。この時、最終目的地や滞在時間などについて質問されることもあります。それら入国データは、到着地の入国管理局に送信されるようです。確認が取れ次第、通常通りチェックインを完了させてください。
     私は、このチェックイン時に「临时入境外国人入境卡(短期入国外国人用入国カード)」に必要事項を記入するように言われました。この「临时入境外国人入境卡」は、臨時入境許可の申請に必要な書類です。この書類は、チェックイン時に記入するパターンと中国に到着後の入国直前に記入するパターンがあるようです。チェックイン時に記入を求められなくても、安心してください。中国に到着して、入国審査の直前まで進めば入国カードが置いてあるように「临时入境外国人入境卡」が置いてあります。
     これらも含めて、チェックインには、通常の2倍もしくは、それ以上の時間がかかりました。
  4. 保安検査
     一般的な保安検査の通過と同様に保安検査場を通過して問題ありません。また、ここではパスポートと搭乗券(航空券)を保安検査官に提示しますが、「临时入境外国人入境卡(短期入国外国人用入国カード)」は提示しなくても構いません。(誰が「临时入境外国人入境卡(短期入国外国人用入国カード)」を持っているということは保安検査官は把握していないと思います。)求められた際は、素直に応じましょう。
  5. 関税申告
     関税申告が必要な持ち物を持っている場合、関西カウンターで申告手続きが必要になります。
  6. 出国審査
     出国審査カウンターでは、審査官にパスポートと搭乗券を提示してください。ここでも特に「临时入境外国人入境卡(短期入国外国人用入国カード)」は提示しなくても構いませんが、求められた際は素直に応じましょう。
  7. 搭乗
     搭乗時間になったら出発ゲートから飛行機に搭乗しますが、搭乗ゲートでもパスポートとチケットのみスタッフに見せれば大丈夫です。
  8. 出発・到着
     飛行機に搭乗したら到着地(中国のどこか)まで、空の旅をお楽しみください。入国カードを機内で配られる場合もあるかと思いますが、トランジットビザ免除措置や臨時入境許可を利用する場合は、入国カードの記入が不要のため受け取らなくても大丈夫です。
     ちなみに、マレーシアから私が乗った廈門航空は、機体やシート自体はあまり新しくはありませんでしたが、機内食のナシゴレンはマレーシアで食べたものと同様にとても美味しかったです!
  9. 入国審査
     いよいよ入国ですが、通常の入国カードの審査前の記入と指紋登録は不要ですので、そのままイミグレーション(入国審査カウンター)へ向かいましょう。通常のイミグレーションの手前まで到着したら、「24/144小时过境・24/144H Transfer」や「72小时过境・72H Transfer」といった案内板を見つけて、それに沿って専用の入国審査カウンターまで行きます。カウンターの手前まで来たら、「临时入境外国人入境卡(短期入国外国人用入国カード)」を持っていない、記入していない方は、ここで必要事項を記入してください。記入し終わったら、それを持って専用の入国審査カウンターへ並んで入国審査を受けましょう。この段階で指紋登録を行うはずです。入国審査官からの質問では、私の場合「明日、日本に帰るのね。」と言われて「Yes」と回答しただけしたが、以下のことは回答できるようにしておくと、安心かもしれません。

    ・どこの国から来ましたか?
    ・どこの国へ行きますか?
    ・72 or 144時間以内に第3国へ出国するチケットは持っていますか?
    ・なぜ入国するのですか?
    ・中国滞在中は、どこに泊まりますか?

     以上で、入国が許可されると、パスポートに入境許可のシールが貼られます。ここまでの中国入国までにかかる時間は、大体1時間くらいです。スムーズに行けてこのくらいかかりますし、記入漏れ申告漏れなどのトラブルが重なれば、もっと時間がかかってしまうため、急ぎの予定は入れない方が良いでしょう。
  10. 荷物の受け取り
     無事に入国が完了したら荷物を受け取ってください。
  11. 税関
     特に申告するものがなければそのままパブリックエリアに出て、晴れて自由の身です!お疲れ様でした。

出国の流れ

 出国は、普段通り出国してもらって構いません。一つ注意点としては、中国の空港は、朝早くてもかなり混み合い、長蛇の列ができているため、早め(3時間前とか)には空港に着いておくことをオススメします。

少しでも乗り継ぎでの中国渡航への不安が減らせたら嬉しいです|シュウ

参考サイト

・ビザ関連
https://bio.visaforchina.cn/OSA3_JP/qianzhengyewu

・中国国家移民管理局
https://en.nia.gov.cn/

 

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